渋谷駅周辺といえば、現在は大規模な再開発が進むエリアとして知られています。中でも桜丘口地区の再開発は、都市基盤整備を完成させるための重要なプロジェクトと位置付くほど大規模なもの。しかしこうした開発の影響で、有名な桜並木の桜の木がいくつか伐採されてしまったそうです。そこで、再開発によって伐採された桜の木を再利用する取り組みが注目を集めています。どんな内容なのか、見てみましょう。
JR渋谷駅を出て玉川通りを渡ったところに位置する桜丘口地区。2023年より再開発が始まり、商業施設やオフィスビルなどの建設ラッシュが今なお続いています。その一方で、桜丘口地区は桜の木が有名で、街路樹として植えられた桜の木は、春先には満開のお花で多くの人を魅了させてくれます。
そんな桜の木が、今回の再開発によって何本か伐採せざるを得なくなったといいます。
せっかく大きく育った桜の木をただ廃棄するのは心苦しい…。誰もがきっとこんな思いを抱くに違いありません。そこでこうした思いを機に、渋谷を訪れる多くの人に愛されてきた桜の木を再利用する取り組みが始まりました。それが、桜の木を使ったオリジナルコースターづくりです。「渋谷さくら育樹の会」というNPO法人が、販促品などを製作する渋谷区内のメイクプロに依頼。同社がオリジナルコースターを製作しました。
オリジナルコースターは木材をそのままカットし、木の年輪や風合いを感じられる仕上がりになっています。さらに表面にはレーザー加工による名入れも。インクを使用しないようにし、環境への負荷をかけないよう配慮しているといいます。
なお、製作したオリジナルコースターは非売品とのことで、残念ながら私たちの手元に届くことはありません。しかし、桜丘口地区で私たちを和ませてきた桜の木が、違う形で人々を癒し続けてくれるのはうれしい限りですね。
開発によって発展を遂げれば、その裏で失われるものが当然ある…。今回の伐採された桜の木によるコースターづくりは、そんな気付きを私たちに与えてくれたのかもしれません。