仏像マニアにたまらない!1200年を超えた歴史に大ロマン♪密教の出発点となった京都の寺院の国宝級仏像たちに、上野で出会える!

  • URLをコピーしました!

京都北郊の紅葉の名所、高雄にある「神護寺」。かつて唐に渡って密教を学んだ僧、空海が活動の拠点としたことから真言密教の出発点となり、現在は多数の国宝を所蔵する寺院です。この神護寺に収められている、東京では普段まず目にすることができない京都の国宝たちが今、上野にて公開中。1200年を超える歴史を持つ貴重な文化財が揃います。

東京国立博物館で9月8日(日曜)まで開催されている「神護寺 ―空海と真言密教のはじまり」。神護寺の創建1200年と空海生誕1250年を記念した展覧会。国宝「薬師如来立像」や約230年ぶりの修復を終えた国宝「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」など空海ゆかりの宝物をはじめ、神護寺に受け継がれてきた門外不出の貴重な文化財を鑑賞することができます。

一番の見どころは、神護寺の前身となる寺院にまつられていた本尊「薬師如来立像」。量感あふれる造形、威厳あふれる表情には独特の迫力があり、平安初期彫刻の最高傑作と呼ばれています。

神護寺から持ち出されるのは、史上初めてとなる「薬師如来像」。その目で見れる貴重な機会。

金剛界と胎蔵界、密教のふたつの世界観を図示した「両界曼荼羅」。高雄山神護寺に伝わったため「高雄曼荼羅」とも呼ばれる本作品は、4メートル四方の大きさを誇る、空海在世時に制作された現存最古の両界曼荼羅です。江戸時代以来およそ230年ぶりに修理された姿を鑑賞できます。会期前半の8月12日(祝日)までは胎蔵界、8月14日(水曜)からは金剛界を展示。両方見たい人は2回訪れるのがいいでしょう。

金剛界と胎蔵界、密教におけるそれぞれの世界観を表す貴重な作品。

空海の後を継いだ真済の時代に安置された国宝「五大虚空蔵菩薩坐像」。日本で作られた像で5体が揃っている、現存最古のもの。仁明天皇御願とされ鎮護国家が願われました。品の良い顔立ちと均整の取れた造形は、当時最高の技術を持った工人によって制作。寺外で5体揃って公開されるのは初めてとなります。

それぞれに異なった表情を持たせて作られた、古代の技術の粋。

そして、誰もが歴史の教科書で見たことがある国宝「伝源頼朝像」。近年の研究で、この肖像は源頼朝ではないという説が広まっており、源頼朝とされるものとして「伝」と付け加えられるようになりました。子供の頃に教科書で見たこの肖像も、実際目の前で見ると、深い歴史を感じることでしょう。

今でも大河ドラマなどで題材になるなど、存在感を放ち続けている鎌倉幕府初代将軍、源頼朝の肖像。

平安後期から鎌倉時代に至るまで、1200年をさかのぼる歴史ロマンを味わえる今回の展示会、東京ではなかなか見られない貴重な文化財に触れる機会です。ぜひ、会場に足を運んでみてください。

密教や仏像の知識がなくても、歴史に興味があれば、この展覧会の面白さがわかる!

【イベント情報】
東京国立博物館
「神護寺 ―空海と真言密教のはじまり」
東京都台東区上野公園13-9
050-5541-8600
9月8日(日曜)まで開催中
月曜~木曜・日曜9時30分~17時00分
金曜・土曜9時30分~19時※ただし8月30日(金曜)、31日(土曜)は17時まで
月曜休館※ただし8月12日(祝日)は開館し翌13日(火)休館
料金は一般2100円、大学生1300円、高校生900円(全て税込)、中学生以下無料

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次