日本全国地震列島。日本は、いつどこで地震が起こるか分からない地域。東京などの都市圏はもちろん、中山間地域においても、住人はいつも地震に備えておかなければ、自分や家族の生命、財産は守れません。
そこで、日本の防災の権威、目黒教授がご指南。連載第2回目は、「南海トラフ地震って、どんなものなのですか?」。
目黒教授 日本列島周辺の構造をちょっと考えてみましょう。東側からは太平洋プレートが、関東、東北、北海道に載っている北米プレートの下に潜り込んでいます。そして、西日本に載っているのがユーラシアプレートです。さらに南側からフィリピン海プレートが、ユーラシアプレートの下に潜り込んでいて、この境界が南海トラフと呼ばれます。ここで最大M8〜M9くらいの地震が、100年〜150年の周期で繰り返し発生しています。これが南海トラフ地震です。過去の研究から、これが今後30年間で8割ぐらいの確率で発生すると言われています。(次回に続く)
ーー太平洋岸全域が危ないということでしょうか?
目黒教授 関東以西の本州、四国、九州の太平洋岸が特に危険です。南海トラフ地震は非常に大規模な地震になると予測されていて、関西以外でも気を付けなければいけません。南海トラフ地震は、東海地方から西だけでなく、東京を含む関東地域でも被災の可能性があるのです。
●目黒公郎プロフィール
東京大学大学院情報学環長・教授。専門は総合災害管理、国際防災戦略。内閣府本府参与、多数の省庁の防災委員、日本地震工学会、地域安全学会、日本自然災害学会などの会長を歴任。防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。
●目黒教授のラジオ連載「みんなのサンデー防災」は、各種の災害がもたらす被害の最小化と、災害時を被災地地域の課題を解決する機会として活用し、発災以前よりもいい地域に改善するために必聴の番組。毎週日曜14時〜全国コミュニティFMで放送中。詳しくは「みんなのサンデー防災」で検索してみてください。
