中小企業経営者たちが中東や北極圏で和太鼓パフォーマンス!? 地球で学ぶ「豈プロジェクト」の活動とは?

  • URLをコピーしました!

新たな(働き)生き方改革で日本の未来を元気に! そうした志を持つ中小企業の経営者たちとそのサポートメンバーによる社会貢献活動「豈プロジェクト」が海外へ展開。異文化交流をはじめ、現地を訪れなければ分からない貴重な学びを体験しました。

目次

農業復興や教育問題への取り組みが評価され、今年だけで3冠を受賞

「神宝米プロジェクト」で活動する豈プロジェクトのメンバー)
日本の経済力が停滞し、国際的なプレゼンスも弱まっていると言われる昨今、
「日本を元気にする」さまざまなイベントや社会貢献活動に取り組む中小企業の活動体
「豈プロジェクト」に注目が集まっています。

「豈プロジェクト」は、企業研修を行う教育機関「ワールドユーアカデミー」において過去最高益となる経営改善に成功した中小企業の経営者たちと、そのサポートメンバーたちが志のもと団結し、経済・農業・文化・教育という4つの柱で日本の社会課題を解決していこうというもの。

例えば、私たちの生活の根幹をなす農業では、2021年に栃木県塩谷町と提携し、有機農業に取り組む農家さんを支援する取り組み「神宝米プロジェクト」をスタート。中小企業各社が地域の農家とともに育てた米を全量買い取り、会社給食やお中元・お歳暮、こども食堂への寄付などに活用するプロジェクトを実践しています。

地域の農家さんと一緒になって整備された茶畑

日本の食料自給率が38%程度にとどまる中、このプロジェクトに参加する中小企業だけでもお米の自給率100%をめざそうといったこの活動は、全国の自治体の反響を呼び、福井県福井市、鳥取県鹿野町、兵庫県養父市にも拡大。屋久島では4000坪の耕作放棄地を持つ農家からの相談で有機緑茶づくりにチャレンジしています。

文化活動においては、中小企業の経営者自らが日本の伝統楽器である和太鼓の演奏やダンスに挑戦。日本文化や祭りの復興・継承をテーマに掲げるこの活動は、日光東照宮や出雲大社の奉納太鼓に参加するほど本格的なもので、現在は全国各地で公演を展開しています。

2023年には「社会文化功労賞」を受賞しました

2020年のコロナ渦に立ち上がった豈プロジェクトは、昨年だけでも「ソトコト・ウェルビーイングアワード」、「社会文化功労賞」、「ソーシャルマーケティングアワード」といった、サスティナブルな活動や社会貢献でインパクトを与えた企業・団体に贈られる3つの賞を受賞するなど、その評価が社会的にも高まっています。

豈プロジェクトの和太鼓がドバイの「ジャパン・カルチャー・コン」に登場

豈プロジェクトの和太鼓チームによる力強い演奏

そんな豈プロジェクトの和太鼓チームは、2023年11月10日より3日間、ドバイのブルジュパークにて開催された「Japan Culuture-Con」に参加。ついに海外にも活動の場を広げ、中東の地で(1)5000人もの観客を沸かせました。

7つの首長国から構成されるアラブ首長国連邦は、ここ数十年で急速にインフラを整備し急成長を遂げた連邦国で、その首都であるドバイはアジア、オセアニアとヨーロッパを繋ぐ世界最大規模のハブ都市として発展しています。

「Japan Culture-Con」は、そのドバイから日本の伝統芸能やポップカルチャー、ファションや食文化を世界へ発信するべく開催された大型フェスティバル。会場には多数のブースや盆踊り会場などが整備され、ステージイベントには、木村善幸、横山剣(クレイジーケンバンド)、橋本潮ら、日本を代表するアーティストたちも数多く登場しました。

そうしたプロのアーティストとともにプログラムに名を連ねた中小企業の経営者たちですが、迫力のある和太鼓の音がブルジュパークに響き渡るや否や、来場者たちが一斉にステージに押し寄せ、大盛り上がり。うちわを持った中東の観客の熱い声援を受け、大盛況のステージとなりました。

「和太鼓はみんなを一つにする大きな力があるんですよね。中東はみな初めてで、紛争も多いイメージもありましたが、メディアの情報だけでなく、実際に自分たちの目で確かようという思いもありましたし、これまでの公演の海外版だというつもりで参加しました」

そう語るのは豈プロジェクトを主催するワールドユーアカデミー代表取締役社長の仲村恵子さん。

「いざ和太鼓を叩くと、白い民族衣装のアラブの観客の方々もみんな入ってきて、ドバイにも日本を愛してくれる人たちがこんなにたくさんいるんだと感動しました。現在、日本の置かれている状況を知るいい勉強になりましたね」(仲村代表)

「今まで仕事中心で生きてきた中で、思い切って参加した」という株式会社メディアラボ勤務の小林英司さんも、研修でドバイの発展の歴史を聞いたり、フェスに和太鼓で参加することで、多くの発見があったと実感しています。

「今回の活動を経験して世界観がものすごく広がりましたし、和太鼓のような音楽は、言葉の壁を超えて人と繋がったり、想いを伝えたり受け取ったりすることができるのだと、改めて感じました」(小林さん)

豈プロジェクトが一丸となって「ジャパン・カルチャー・コン」を盛り上げた

また、小学5年生の息子と妻の3名で参加した町田孝治さん(町田パートナーズ公認会計士・税理士事務所)は、今回の公演を通して子どもの成長を実感したといいます。

「一生に一度あるかないかの経験なので家族で参加したものの、正直、子どもがぐずったりして迷惑をかけないか心配でした。でも、豈プロジェクトのメンバーが太鼓を自ら梱包して運んで、現地でスピーディーに準備する作業を見て、子どもも『役に立ちたい』と思ったようです。小学生で参加したのは一人だけでしたが、言葉も分からない土地で、法被を着て、自らお客さんにうちわを配って……大人の背中を見ながら成長する子ども姿が垣間見られて、本当に嬉しくなりました」(町田さん)

2月には地球最北端の北極圏へ、冒険の旅を敢行!

北極圏で行われた研修合宿での一枚

中小企業の経営者たちが「地球で学ぶ」貴重な体験は、さらに北極圏へと広がります。

2024年2月、豈プロジェクトのメンバー11名はカナダ北部の町ホワイトホースと、寒い日はマイナス40度にもなる北極圏へ研修合宿を展開。手付かずの大自然の中で、毎日のように出現するオーロラを眺めたり、氷で覆われた北極海を自らの足で歩いたり、ファーストネーション(先住民)の人々と交流したりと、日本での生活とは全くかけ離れた9日間を過ごしました。

「北極圏に住むファーストネーションの人々は、昔は狩りや漁をして生きていましたが、今は国の保留地に住宅が提供され、家電も普及した環境で住んでいます。その一方で食生活やライフスタイルが変わり、伝統的な文化が衰退したり、ガンになる子どもが出てくるなど、失うものも多かった。日本も戦後、豊かになった反面、失ってきた大切なものがあると思うんですね。彼らの生活に触れることで学ぶことがあるのではないかと、今回の研修を実施したんです」(仲村代表)

本来は閉鎖的で、外からの人々を受け入れることの少ないファーストネーションの人々ですが、豈プロジェクトのメンバーたちは、ここでも言葉の壁を超えた文化交流を実現します。

現地住民との活発な交流はこの研修合宿でしか味わえない体験

「現地を訪れていた時、たまたまファーストネーションの人々が自分たちの文化を守るためのイベントを行っていたんです。さまざまな地域から家族が集まり、伝統的なゲームで競ったり、民族音楽を演奏するようなイベントです。であれば、私たちも太鼓の演奏をしているわけだし、コラボレーションしましょうとお声がけしてみたんです」

そう語るのは株式会社ワールドユーアカデミー専務取締役中桐栄子さん。

「日本の和太鼓と北方の民族楽器とのコラボは、アンコールの拍手も鳴り止まないほど盛り上がり、感動的な時間を共有することができました。とメディアラボ代表取締役で、今回の研修に参加した長島睦さんは現地の様子も語ってくれました。

北極圏で行われた研修合宿での一枚

また、北極海にも近い町では、約50頭ものシベリアンハスキー犬と暮らし、生活の全てを自分たちで行うご夫婦と交流。彼らのおもてなしから人の温かさを感じたり、犬ぞりで氷の大地を駆け抜けるといった貴重な日々を経験する中で、豈プロジェクトのメンバーたちは、仕事とはどうあるべきなのか、相手を思いやるとはどういうことなのか、そして自分たちはどう生きていくべきなのか、ディスカッションを重ねたそうです。

「帰国後、大学の就職説明会で『うちの会社は、ただ働くのではなく、北極に行ったり、屋久島に行ったり、外でいろいろな体験をしながら新しい発見に出会ったり、客観的な物の見方を学ぶことを大切にしている。僕自身、そういう人生でありたいと思っているし、そういう仲間を募っているんだ』という話をしたんですが、今の学生たちも、そうした『新しい働き方』には、すごく興味を持っているようです。仕事も社会貢献も、今回のような冒険も、一緒に楽しんでいく。そうした生き方をもっと広げていきたいと思っています」(長島さん)

豈プロジェクトの実践していることは、まさに「新しい生き方(働き方)改革」だと仲村代表は言います。

「今、私たちは『地球で学ぶ。会社が魂の学校になる日』というテーマを掲げています。昨今はパスポートを持つ若い人たちが減っていると聞きますが、私はこのプロジェクトに参加している企業の子どもたちにも、面白い生き方をしている大人たちの姿を見せていきたい。中小企業も団結することで新しい生き方(働き方)が実現できるんですよ」(仲村代表)。

豈プロジェクトは、来たる4月4日に東京・日本橋公会堂で、5月21日には横浜・関内ホールでも公演を開催予定。当日は、もちろん和太鼓演奏も盛大に行われます。活動に興味を持った方は、ぜひ足を運んでみませんか?

■豈(やまと)プロジェクト
https://yamato.world-u.com

■豈プロジェクト 日本橋公演
開催日時:2024年4月4日(木)14時~17時
開催会場:日本橋公会堂(中央区日本橋蛎殻町1-31-1)
ゲスト:赤塚高仁氏(作家)、福島雅典(京都大学名誉教授)
詳細・チケット購入はこちら
https://yamato.world-u.com/eventlist/2100/

■豈プロジェクト 横浜公演
開催日時:2024年5月21日(火)14時~17時
開催会場:関内ホール(横浜市中区住吉町4-42-1)
ゲスト:小田真嘉氏(経営戦略アドバイザー)
     鈴木宣弘氏(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
詳細・チケット購入はこちら
https://yamato.world-u.com/eventlist/2180/

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次