世界を元気にする日本人の誇りを持つ熱き挑戦者たちリレー対談 日本の将来はあなたによって創られる! <第11回>求められる役割を果たし、常に新たなチャレンジで「男の勲章」を増やしていく

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公開経営指導協会の理事長・喜多村豊氏が、世界を元気にする挑戦者たちと日本の将来について語り合うリレー対談。第11回目の今回は、8月28日に約20年ぶりのCD『Memories and beginnings ~時を越えて~』を発売する歌手・俳優の嶋大輔さんをお迎えしました。

目次

革新のスピリットを支えているのは、萩本欽一さんの言葉

喜多村:本日は俳優・タレントの嶋大輔さんをお迎えしました。今年、還暦を迎えられて、還暦記念ライブも開催されたそうですね。

:誕生日の5月22日に「嶋大輔 60th Anniversary Live 〜60歳は通過点〜」を開催させていただきました。還暦ということで赤い特攻服も着まして。「こんな60歳がいていいのかな」という感覚です(笑)。ただ、還暦は「暦が還った」ということで、新たな生まれ変わりの時だと言われます。もう1回、新たな可能性に向けてあがいてみたいと思っているんです。

喜多村:素晴らしいですね。ある程度の年を重ねると、なかなか新たなチャレンジがしにくくなるものです。還暦を迎えてもなお革新のスピリットを持ち続けることができる秘訣はなんでしょうか?

:秘訣というわけではありませんが、萩本欽一さんにいただいた言葉が支えになっています。すごく落ち込んでいたとき、「1回トップを取った人間は、必ずまた這い上がれるから」とおっしゃっていただいたんです。

喜多村:嶋さんは17歳でデビューされて、『男の勲章』で大ヒットを飛ばし、ドラマや映画、バラエティ番組と幅広く活躍されてきたわけですが、落ち込んだときもあったのですか?

:最初は、何がなんだかわからないままゴールデンタイムの歌番組に出て、隣を見たらテレビでしか見たことがなかった松田聖子さんやたのきんトリオ(田原俊彦、野村義男、近藤真彦の3人のグループ)がいて、すごく不思議な感覚でした。でもそのあと、何をやってもダメなときがあったんです。いろいろな曲を出しても売れなくて。そのうち『男の勲章』を歌いたくなくなってしまったんですね。

喜多村:お気持ちはとてもわかります。私も小室哲哉さんやいろいろなアーティストのマネジメントに携わっていますが、すごく売れた曲を持っていると、そればかりを求められるんですよね。いわゆる“一発屋”扱いされて、「今の成長した自分の歌も聞いてほしい」という悩みはよく聞きました。

:まさにそういう感覚です。30歳になって髪の毛を切っても、「リーゼントにして特攻服を着て『男の勲章』を歌ってください」と言われるので、一時期意固地になって歌わなかった時期もありました。

そうしたらある人に「求められる歌を持っている歌手がどれだけいるんだ。懐メロに入っている曲はほんの少しだぞ」と言われて、ハッとなったんです。ちょっと太りましたし、髪の毛も少し薄くなりましたが、求められればリーゼントにして『男の勲章』を歌いますし、積極的に新たなチャレンジをしようと思っています。

「夢は必ず叶う」と簡単に言うのは好きじゃない

喜多村:8月28日にミニアルバム『Memories and beginnings ~時を越えて~』を発売されます。完全新作ということで、まさに新たなチャレンジですね。

:はい。全6曲で、スペシャルトラックの『男の勲章 (Remastering)』以外は新作です。ずっとついてきてくださっているファンの方々は本当に大事な存在ですが、いい意味で裏切っていきたいという気持ちでつくりました。

正直、ファンの方々へどのように届くのか、不安はあります。「全く売れないんじゃないか」と弱気な自分もいます。でも、求められているものに加え、「60歳になってもまだ夢を追いかけて頑張っている」、そんな新しい嶋大輔の姿をお届けしたいという思いが強いですね。

喜多村:ミニアルバム、ひと足先に聞かせていただきましたが、心に響く詩が多くありました。

:ありがとうございます。還暦記念ライブで先行して披露した『Dear Friends ~いつか桜の丘で~』という曲の中に、「時間は無限じゃない 今ならわかるよ」という詞があるんですが、これが今の心境に近いですね。

振り返ると、“ツッパリ”と呼ばれていた不良少年として世の中に出させてもらってから40年以上、いろいろなことがある中で、目の前の目標をひとつずつクリアしてきました。若いときは白だと思っていたものが今は黒に見えるなど、考え方も少しずつ変わってきています。萩本欽一さんのお言葉のように、這い上がれるかどうかはわかりませんが、あがく姿をファンの方々に見せることはできるんじゃないかと思っています。

喜多村:先ほど「夢を追いかける」という言葉がありました。夢というと現実味がないイメージもつきまといますが、嶋さんはそうじゃないですね。

:よく「夢は必ず叶う」と簡単に言う人がいますが、それはちょっと違うんじゃないかなと僕は思っているんです。もちろん、夢を描くことは大切です。でも、叶えるためにどう生きるか、どんな道を進めばいいのかを愚直に考え、実行することのほうがより重要だと思うんですね。

喜多村:どんなに頑張っても、叶わない夢もあるじゃないですか。僕はプロ野球選手を目指していたんですけど、目にガラスが刺さって断念せざるを得なくなった経験があります。そんな絶望に陥ったとき、嶋さんはどうするんですか?

:当然、1~2日は落ち込みますよ。でも、泣きわめいてもどうにもならないし、切り替えが大事。2017年にテレビの医療バラエティ番組で「糖尿病で余命4年」と診断されたこともありましたが、すぐに気持ちを切り替えて食事療法と運動を始めました。今では、糖尿病を判定するHbA1cの数値も、正常値とされる範囲におさまっています。

実娘とのデュエットでも感じた、大人としての責任

喜多村:切り替えの早さと、目の前でするべきことを着実にこなせるところが、トップに立つ人ならではですね。普通は中途半端に引きずってしまうことも多いじゃないですか。そういった指導心構えは、どういったところで培われたとご自身は感じていますか?

:やはり子どもの頃の経験でしょうか。一部の“ツッパリ”に限らず、喧嘩のルールみたいなものが定着していた時代だったので、「これ以上殴ったらまずい」とか、「ここは攻撃しない」といった暗黙の了解がありました。そういう中で培った感覚が、限界の見極めにつながっているのかもしれません。

喜多村:よくわかります。目を合わせなければ喧嘩にならないというルールもありましたよね。今は何の前触れもなくいきなり刺してしまう事件も起きるなど、感覚が変わってきているように感じます。

:バーチャルな世界に慣れてしまったのか、「人の痛み」がわかりづらくなっているのかなとは思いますね。そうなってしまうと、先ほどの夢の話と同じで、目の前のやるべきことが見えにくくなるような気がします。僕は仕事で経営者の方々とお話をする機会があるのですが、「今の若い人を育てるのはすごく大変」とみなさんおっしゃるんですね。すぐにあきらめてしまうというんです。何をすべきかわからなければ、当然そうなってしまいますよね。

喜多村:今は「ほめ育」という言葉もあって、ほめて育てることが大切だという考え方もあります。でも、逆にもっと厳しくしてほしいという若い人もいるんですよね。そういう人にとっては、大人が怒らないことは機会を失っているともいえるのではないでしょうか。

:僕が忘れられないのは、『茜さんのお弁当』というテレビドラマで俳優デビューしたときのことです。撮影に入っているのに、不注意で骨折してしまって、周囲の大人にものすごく怒られました。「撮影ができなくなるとどれだけ迷惑がかかると思っているんだ」と。それで初めて仕事の大切さが理解できました。やっぱりそうやって真剣に怒ることが、次世代に対する大人の責任だと思いますね。

喜多村:公開指導経営協会の初代理事長だった父は「人に影響を与えられない教育は、教育ではない」という言葉を遺してくれました。デジタル化で便利になった時代ですが、デジタルの情報は一瞬で失われるリスクもあります。「人として生きる力」を大人が伝えないといけませんよね。

:同感です。

喜多村:ミニアルバムには、娘さんで俳優の彩島圭叶さんとのデュエット曲も収録されていますよね。昨今は世代間、親子間の分断も問題となっていますが、親子でのコラボレーションを経て何か感じたことはありますか?

:実はレコーディングの直前に、仕事絡みのことでかなりきつめに叱ったんです。それもあって、レコーディングのときは一緒に歌ったものの、一切口を利かなかったんですね。おそらく彼女は、その日現場に行くべきかどうかも悩んだんじゃないかと思うんです。でも、仕事は仕事としてしっかり仕上げたので、やるべきことを理解してきちんと取り組んでいるんだなと少し感心しました。

喜多村:やはり嶋さんの背中を見て育っているということでしょうね。『A RI GA TO U ~嫁ぐ日・Since 2000~』というタイトルには、嶋さんの親としての思いも感じました。

:周囲からは「彼氏を連れてきたらぶっ飛ばしそうだよね」なんて言われるんですが(笑)、そんな気持ちは全くなくて、ただ幸せになってほしいという思いだけです。でも、態度が悪かったら「やり直せ」って言ってやろうと思っています。

喜多村:拒絶するんじゃなくて、やり直させるのが優しいですね。

:優しいかどうかわかりませんが、自分がそうだったように、ダメなことはダメだと何回でも教えてあげたいですね。それが大人として、親としての役割だと思っています。

◆嶋大輔 (しま だいすけ)
1964年5月22日、兵庫県生まれ。横浜銀蝿のライブを観に行っていたところスカウトされ横浜銀蝿の弟分としてデビュー。ヒット曲「男の勲章」は後にさまざまなアーティストによりカバーされる。俳優としても、ドラマ・映画・Vシネマ等、数多くの作品に出演するなどマルチに活動する。

【リリース情報】
ミニアルバム『Memories and beginnings ~時を越えて~』
発売日:8月28日(水)
【Tower Records 購入ページ】特典プロマイド付き※全4種ランダム
URL: https://tower.jp/article/feature_item/2024/07/20/0701

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◆喜多村豊(きたむら ゆたか)
一般社団法人 公開経営指導協会 理事長
株式会社ティーケートラックス 代表取締役社長
学校法人早稲田実業学校 評議員理事・校友会副会長

一般社団法人 公開経営指導協会
所在地:東京都中央区銀座2-10-18 東京都中小企業会館内
URL: https://www.jcinet.or.jp/

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