被災直後の3日間をどう凌ぐ?を知っておきたい車中泊マニュアル。

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「もし、いま自分や家族が大きな地震にあったら…」。そんな状況を想定したシミュレーションを日々しておくことが大切だ。その「万が一」を考えるうえで知っておきたいことは、ひと口に「車中泊避難」といっても、被災直後・中期・長期避難の3段階で大きく状況は異なるということ。もっとも重要なのは、救援物資がまだ少ない被災直後の3日間(72時間)をどう凌ぐか?その後の約1か月間(中期)、さらに1か月以上(長期)の避難生活では、不安や不便はまだ解消されていないものの、現在の日本なら、ある程度の物資は供給される。つまり、まずは被災後72時間を想定した車中泊避難の方法やアイテムの準備が重要なのだ。

目次

日常からチェック!災害前

クルマのタイプと大きさ。

まずは基本中の基本。マイカーの大きさやタイプを確認したい。「乗車人数=寝られる人数ですよね?」ではない。同じ1500ccでもセダンとステーションワゴンでは車内空間は異なる。また、コンパクトなシエンタと本格派のアルファードのように、同じメーカーのミニバンであっても、車格(大きさ)によって車中泊は大きく変わる。

シート・アレンジの確認。

マイカーのシート・アレンジと、その手順を把握しているオーナーは、それほど多くない。自分(と家族)が寝るなら「シートを倒すか? ラゲッジスペースか?」。一般的には、シートならクッション性が高く、ラゲッジならフラットな寝床になる。できれば一度、車中泊を試して、自分と家族にあったシートアレンジと広さを確認しておくといい。

デッドスペースの活用。

車中泊で重宝するアイテムはしっかり準備しておきたいところ。そこで把握・活用したいのがクルマのデッドスペース。日常ではあまり使用しないスペースを見つけて、アイテムを備蓄しておく。ラゲッジの下側など、意外に忘れているスペースは結構多い!

デッドスペースの活用。紹介しているようなアイテムはしっかり準備しておきたいところ。
意外なところに活用できるスペースはある。

被災から72時間の過ごし方

被災時の車中泊の大きな注意点は、とにかくリラックスして寝られるかどうか。その有効な方法のひとつが、寝床のフラット化だろう。特にシート就寝の場合、いくら背もたれを倒しても凹凸が気になることが多い。衣服やタオルなどを置くとかなり楽になる。さらに足をできるだけ水平にすることによる、エコノミークラス症候群の予防も忘れずに。

とにかくフラット化。被災時の車中泊の大きな 注意点は、とにかくリラッ クスして寝られるかどうか。
とにかくフラット化。

中期避難

被災後72 時間を凌げば、現在の日本の救助体制ならば何かしらの救援物資が供給されるはず。「あるもの」での対応から、すべてではないが「車中泊避難のため」のアイテムを準備できる可能性がある。より寝心地のいい布団や寝袋、クルマ用カーテン、アウトドア用のバーナーなど。注意すべきは、先の見えない避難生活からくる心労と体の疲れだろう。

衣類などの「あるもので」対応する。
衣類などの「あるもので」対応する。

長期避難

被災1か月を超えて車中泊生活となった場合、体も慣れて自分なりの「快適な車中泊生活」にはもはや不便はないかも。ただし、社会的にはすでに復興に向けた動きが進んでいるなかで、自分自身の生活の再構築はあまり進んでおらず、車中泊をせざるえない状況であることが予測される。避難生活をいつまで続けなければいけないのか?社会復帰に向けた準備期間をクルマで行うことになる。

社会復帰に向け た準備期間をクルマで行う。
社会復帰に向けた準備期間をクルマで行う。


体のリラックスは「フラット化」だが、心のリラックスは「目隠し」から。プライベート空間をつくって、パニックになった気持ちを少しでも落ち着かせたい。洗濯ひもで簡易カーテンを作ることもできる。全面が無理なら人通りの多い片面だけでも効果あり。乳児の授乳や女性の携帯トイレの使用時にも役立つ。携帯トイレの使用が、躊躇のない水分補給となり、エコノミークラス症候群の予防につながる。

目隠しをしてプライベート空間を作る。
目隠しをしてプライベート空間を作る。


そして、注意したいのはエコノミークラス症候群。まず予防策として紹介したいのが、寝る体勢の改善。狭い車内で長時間、同じ体勢で寝ると、体内の血流が悪くなる。可能なら足は心臓と同じ高さまで上げて寝ること、同じ体勢で寝ないこと。また、血液の循環をよくするための適度な運動やマッサージも効果的。さらに血液の水分不足を防ぐためにも、意識的に水分補給に努めることも重要な対策だ。

デットスペースを利用して水分補給を怠らない準備を。
デットスペースを利用して水分補給を怠らない準備を。

季節で変わる車中泊

寒波や暴風雨、猛暑などのように命にかかわる状況以外では、アイドリングストップでの車中泊生活が基本。その場合、温度と湿度、天候にどう対処すればいいのか?万全の準備ができていない被災後72時間では、ガソリンも貴重。エアコンなしで過ごす夏の熱帯夜、梅雨の湿度、冬の積雪などの対応策を知っておきたい。

春・秋

もっとも車中泊に最適な季節が春と秋。2016年に発生した熊本地震は春だったため、夏や冬に比べて避難生活中の健康被害が少なかった可能性は高い。

夏・梅雨

日本の夏は暑い!窓を開ければ虫が車内に入ることも。対策はひとつ、就寝場所の標高を上げること。これができるのもクルマだからこそ。中・長期避難では網戸や防虫グッズも必要。こまめな水分補給で熱中症対策も忘れずに!

冬・積雪時

寒いだけなら、防寒アイテムや毛布などで凌げる。問題は雪。防寒具を持たず、やむを得ずアイドリングで駐車する場合、マフラーが雪に埋もれて排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒の危険も。身動きができなくなる前に、安全な建物へ。

体温調節をできる準備もしておきたい。
体温調節をできる準備もしておきたい。

あると心強いアイテム

あると心強いアイテム
できる限り備えておきたい。

汎用性の高い「積んでおきたいもの」

あると心強いアイテム
デッドスペースを活用して詰んでおきたい。
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