道の駅ブーム到来中!次流行る道の駅は宮城県白石市! スマートIC直結×複合施設の“新時代の道の駅”とは?

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今、道の駅がブームを迎えています。地域の食・文化を発信する観光スポットとして、テレビなど各種メディアで連日のように取り上げられています。その中で、新たなトレンドとなりつつある「道の駅型まちづくり」を進めているのが、宮城県白石市の「(仮称)道の駅しろいし」(2027年7月オープン予定)です。12ヘクタールと日本で5指に入るという広大な敷地で、防災拠点としての役割も持たせた従来にないスケールの「新時代の道の駅」を目指している同市の山田裕一市長に、詳しくお話を伺いました。

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白石市は、「南東北のへそ」と呼ばれる交通の要衝

道の駅は、1993年に制度化されました。最初は全国に103カ所でしたが、今年6月には1230カ所と約30年で10倍以上に増えています。

当初はトイレ休憩ができる「ドライブ中の休憩施設」としての役割が中心でしたが、今や観光スポットとして「目的地」となっている道の駅も多くなりました。そうした魅力を兼ね備えつつ、さらなる進化を遂げた「新時代の道の駅」の整備を目指しているのが、宮城県白石市です。 新たな道の駅の構想がスタートしたきっかけは、2020年に東北自動車道の新たなスマートICとなる「白石中央スマートIC(仮称)」の新設が決まったことでした。白石市の山田裕一市長は、次のように話します。

「東北自動車道のインターチェンジとしては、白石市の北部に白石ICがありますが、東京方面の次のインターチェンジである福島県の国見ICまでの区間距離は23.5kmとなっています。インターチェンジの区間距離の全国平均は10kmといわれていますので、非常に長かったわけですが、ほぼ中間地点にスマートICを設置できることになりました。しかも、東北の大動脈である国道4号線と交差する場所ですので、スマートICの効果を最大限発揮するため、道の駅を整備しようということになりました」

もともと白石市は、奥州道中の宿駅が設けられるなど、昔から交通の要衝として栄えてきました。同市を中心に円を描くと、仙台市、山形市、福島市と南東北3県の県庁所在地がすべて50km圏内に入ります。車だと3市ともに1時間以内というアクセスの良さから「南東北のへそ」と呼ばれるほどです。

このロケーションを生かし、地域住民の利便性向上を図るとともに、経済活性化や観光促進の起爆剤となる道の駅をつくりたいと山田市長は力を込めます。

「人口減少という厳しい課題がある中で、交流人口や関係人口の拡大を図っていける拠点にしたいという思いが強くあります。白石市は『人と地域が輝き、ともに新しい価値を創造するまち しろいし』の実現を目指していますが、道の駅も同様に、多くの方々の笑顔があふれる場所にしていきたいと思っています」

音楽や子育て支援で、訪れる人を元気にする「新時代の道の駅」

具体的に、「(仮称)道の駅しろいし」はどのような場所になるのでしょうか。地産地消をコンセプトとしたレストランや、新鮮な農産物や白石市の名物が購入できる直売所、観光情報などの発信に加え、「訪れる人を元気にする機能」を豊富に備えたいと山田市長は意気込みます。

そのキーワードとして、山田市長は「音楽」「スポーツ・レクリエーション」「子育て支援」の3つを挙げました。まず「音楽」については、「道の駅に立ち寄ると素敵な生演奏が聞こえてくる」場所を目指していると話します。

「実は、白石市は吹奏楽が非常に盛んで、中学、高校だけでなく今年48周年を迎える白石市民吹奏楽団は活発な活動を続けているんです。一方で、吹奏楽は大きな音量を伴いますので、練習場所を探すのに非常に苦労をされています。そこで、道の駅に楽器倉庫を備えるとともに、屋外ステージを整備して、誰でも気兼ねなく練習でき、かつ気軽に音楽が楽しめる空間にしたいと考えています」

「スポーツ・レクリエーション」も、「音楽」と同様、にぎわいとリフレッシュを生み出す施設を揃えたいと山田市長は語ります。3×3のバスケットコートやスポーツクライミング、フットサルコートを2面設置できる全天候型のドーム、広い芝生広場などのほか、ドックランも検討しているそうです。

老若男女が集まりやすくくつろげる場所にしたいという思いは、「子育て支援」にも貫かれています。キッズルームや屋内外に親子でのびのび遊べる広い遊び場のほか、24時間利用できるベビーコーナー(おむつ交換や授乳が可能なスペース)、妊婦の方も利用ができる駐車スペースを設置し、おむつのばら売り販売も実施予定と、子育て世代が安心して過ごせるよう配慮しています。

加えて、子どもたちが体験的に学べる体験型施設を設置するのも特徴だと山田市長は話します。 「子どもたちの教育は非常に重要だと考えています。白石市では、2023年4月に東北で初めていわゆる不登校特例校(学びの多様化学校)を公立の小中一貫校として設置しました。これから我が国を背負って立つ子どもたちが、成長していくうえでさまざまな教育を受けられるように、道の駅の広大な敷地を生かして、農業体験や環境教育などができる体験型施設を整備していきます」

さらに、グランピング施設やオートキャンプ場なども検討中と山田市長は明かします。全国でも5つしかない本格的な木造復元天守を持つ白石城や、東北唯一の屋内能楽堂を有する碧水園など、観光資源も豊富な白石市だけに、アクセス至便なスマートICのそばに快適かつ手軽に利用できる宿泊施設ができる意味は非常に大きいといえます。白石市内のみならず、東北自動車道や国道4号線を利用して、遠方からも多くの家族連れが集まる場所となることが期待できるでしょう。

周辺地域とお互い助け合う「防災拠点機能」も

見逃せないのは、防災拠点としての機能も「(仮称)道の駅しろいし」の計画に盛り込まれている点です。山田市長はこう語ります。

「近年の気候変動に伴い、自然災害は激甚化・多頻度化・広域化しています。いざ災害が発生したとき、迅速かつタイムリーに助け合うことが重要だと思っています。そのためには市町村間の連携も大切ですので、道の駅を広域防災拠点として活用できるよう整備を進めています」

具体的には、12ヘクタールの広大な敷地を防災公園として整備。災害発生時には、被災地に向かう自衛隊や緊急車両・支援車両などのハブとして機能することを想定しています。しかも、道の駅の北隣には、地域防災の重要拠点である白石消防署の移転・新築も決定しました。施設・設備だけでなく、有事に備えた体制をしっかりと整えているのは特筆すべきポイントです。

「道の駅は国道4号線と東北自動車道が交差する交通の要衝にあるため、周辺地域全体の防災力強化に貢献できる機能を持つ拠点となるべきだと考えています。人と人が、困ったときに助け合える社会であり続けられるように、施設・設備を整えるだけでなく、道の駅を起点としたネットワークを広げていきたいと思っています」

周辺地域全体を「防災に強いまち」としていく取り組みと、複合施設で実現する「音楽」「スポーツ・レクリエーション」「子育て支援」など訪れる人を元気にする機能。道の駅を起点とした新たなまちづくりは、「白石モデル」として他の地域の参考例となる可能性を秘めているといえそうです。

「白石市は、東京から新幹線で最短1時間45分、東北自動車道で300kmとアクセスしやすい場所にあります。道の駅の隣には新たに30ヘクタールの工業団地を造成することも決定しましたので、『道の駅しろいし』に加え、ビジネスの面でもぜひ首都圏のみなさまに関心を持っていただきたいと思っています。気になることがございましたら、お気軽に白石市までご相談ください」

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