ベル・エポックな19〜20世紀初めの化粧道具を展示…当時の女性の価値観の変遷を辿ってみる(from箱根)

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豊かな自然に囲まれた箱根の美術館で、近代の美意識の変遷を辿れる展覧会が開催中。女性の自由が広がっていく時代の化粧道具と絵画の興味深い展覧会です。

5月31日(日曜)まで、箱根のポーラ美術館にて、コレクション展「日常のエレガンス ―西洋近代の化粧セット」が開催中。19〜20世紀にかけての希少な化粧道具に焦点を当て、かつて女性たちが手にした装飾性と実用性を兼ね備えた品々を展示。時代の空気を纏った美の形を、静かな展示室でじっくりと堪能できます。

会場に並ぶのはパウダーボックスや香水瓶、マニキュアセットなど。「ベル・エポック(美しき時代)」と呼ばれた19世紀末から20世紀初めを彩った、優美なアール・ヌーヴォー様式の数々。あやめ文をあしらった銀製のセットが往時の華やかさを伝えます。一方で、20世紀前半に登場したアール・デコ様式の機能美にも注目。自動車での旅が広まった時代に合わせた携帯用のコンパクトなども紹介。素材や技法の変化から、当時の人々の価値観が見えてきます。洗練された意匠の数々は、現代の視点で見ても驚くほど新鮮です。

1940年頃の「ローズ色ガラス化粧セット」。

社会の変化が化粧文化に与えた影響を、視覚的に学べるのも本展の面白さ。移動手段の発達により、人々が郊外でのレジャーを楽しむようになった時代。それに伴い、化粧セットも「持ち運ぶもの」へと進化を遂げました。展示される青革製の旅行ケースなどは、当時のライフスタイルを象徴。プライベートな室内空間から、開かれた外の世界へ。化粧道具の変遷を通して、近代女性の自由への憧れを追体験できます。単なる道具の展示に留まらない、深い歴史の物語がここにあります。

1930年代頃の青革製旅行ケース。

化粧道具と一緒に、ルノワールやレジェが描いた絵画も同時に展示。鏡を手に持つ女性や帽子を被る少女など、絵画の中に描かれた女性とその傍らにある化粧道具。絵画と道具の双方展示することで、芸術家の眼差しと職人の手仕事を同時に鑑賞できます。美術館が守り続けてきたコレクションだからこそ、実現した展示をぜひ足を運んでみては!

本展のテーマに沿ったルノワールの絵画なども同時に公開。

【イベント情報】
「日常のエレガンス ―西洋近代の化粧セット」
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285 ポーラ美術館 展示室4
0460-84-2111
5月31日(日曜)まで開催中
9時~17時(最終入館16時30分)
開催中無休
料金は大人2200円、大学・高校生1700円(共に税込)。中学生以下 無料

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