近年、急速に再評価が進む日本人アーティスト、田名網敬一。雑誌や広告を主な舞台に日本のアンダーグラウンドなアートシーンを牽引。現代アーティスト像のロールモデルと言われる田名網の、初となる大規模回顧展が乃木坂で開催中。
乃木坂の国立新美術館で11月11日(月曜)まで開催されている「田名網敬一、記憶の冒険」。武蔵野美術大学在学中にデザイナーとしてキャリアをスタート。1975年には日本版月刊「PLAYBOY」の初代アートディレクターを務めるなど、雑誌や広告を主な舞台に日本のアンダーグラウンドなアートシーンを牽引してきた田名網の、初となる大規模回顧展。
場では絵画、コラージュ、立体作品、アニメーション、実験映像、インスタレーションなどおよそ500点の田名網の作品が空間を埋め尽くし、まるでアートな脳内に迷い込んだかのよう。
最初に、太鼓橋がうず高く積み上げられた新作インスタレーション作品「百橋図」がお出迎え。プロジェクションマッピングで投影された奇々怪々なモチーフが太鼓橋を彷徨います。
田名網の創作の圧倒的な密度と情報量、解像度によって、尽きることのないクリエイティビティに圧倒されます。
88歳となった今も旺盛な創作活動を続ける田名網の存在は、世代や国を超えたアーティスト、そしてデザイナーたちを魅了し、コラボレーションを求める声は後を絶ちません。
60年以上に渡る活動の中で、常に自らの表現方法を刷新し続けてきた稀有な感性を持ったアーティスト、田名網の世界観にどっぷりと浸りながら、膨大な作品の隅々までぜひ目を凝らしてみてください。
【イベント情報】
国立新美術館
「田名網敬一 記憶の冒険」
東京都港区六本木7-22-2
050-5541-8600
11月11日(月曜)まで開催中。
月曜・水曜・木曜・日曜10時~18時
金曜・土曜10時~20時
※入場は閉館の30分前まで
火曜休館
料金は大人2000円、大学生1400円、高校生1000円(全て税込)。中学生以下無料。