東京都には約2,000社の神社があると言われています。初詣や祈願成就で参拝したり、散歩がてらに立ち寄ったりと神社に行く機会は何かと多いのでは。そこで本記事では、神社の見どころや土地とのつながり、オススメの授与品を紹介し、神職の方からお話を伺います。
都会にある神社を訪ねて
都会のど真ん中、新宿ゴールデン街のそばに鎮座する「花園神社」。古くから庶民に親しまれた神社で、今も参拝する人でにぎわっています。今回は、宮司の片山裕司さんに神社を案内していただきました。
花園神社の境内には本殿の他に二つの境内社があり、一度の参拝で色々な神社をお参りすることが出来ます。
「参拝する順番は特に決まっていませんが、手水(ちょうず)舎で清めていただき本殿をお参りして、その後に二つの神社をお参りしていただければと思います」(片山さん)
江戸幕府以前からこの地に鎮座する歴史ある神社
花園神社は、徳川家康が江戸幕府を開く以前に奈良県の吉野山からこの地に勧請され、新宿の総鎮守として信仰を集めていました。
「創建当時は、現在より250メートルほど南、ちょうど伊勢丹新宿の付近にあったといいます。江戸時代に、花が多く咲いている場所に移転した事から『花園稲荷神社』と呼ばれたのが社名の由来となっています」(片山さん)
本殿を参拝して三つの神社のご利益をいただこう
1965(昭和40)年には、大鳥神社と雷電稲荷神社を合祀して「花園神社」が正式名称となります。本殿では、倉稲魂神(ウガノミタマノカミ)と日本武尊(ヤマトタケルノミコト)と受持神(ウケモチノカミ)の3柱を御祭神としており、倉稲魂神は商売繁盛、日本武尊は勝負運、出世開運、受持神は子宝、安産のご利益があるとされています。
花園神社は「酉(とり)の市」が有名で、 開運招福、商売繁盛を願って飾り熊手など縁起物を商う熊手市が立ちます。
「酉の市は、日本武尊のご命日の11月酉の日に行われる大鳥神社のお祭りで、花園神社名物の見世物小屋の興行も行われています」(片山さん)
芸能と縁の深い浅間(せんげん)神社
境内社の「芸能浅間神社」は、多くの芸能人が参拝に訪れることで有名な神社です。御祭神の木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤヒメ)をまつる浅間神社は全国各地にありますが、芸能に関わる浅間神社は珍しいといいます。
「元々は浅間神社でしたが、神社の土地柄もあり芸能界の方に多く参拝していただき、いつしか『芸能』と名が付きました。境内には宇多田ヒカルさんの母親、藤圭子さんが歌った「圭子の夢は夜ひらく」の歌碑や、八代亜紀さんが奉納した社号標もあります」(片山さん)
女性に人気がある稲荷神社
もう一つの境内社「威徳(いとく)稲荷神社」は、縁結び、夫婦和合、子宝の神様として若い女性に人気です。
「戦災で資料が喪失したのですが、1928(昭和3)年頃に創建されたと伝えられています。女性に人気の神社ですが、独特の雰囲気が外国人観光客にも人気があります」(片山さん
人気の授与品や御朱印をいただこう
花園神社のお守り「仕事(志・為)守」。これは「為(な)す事、自分の志す事、仕事に関する事が上向きにいきますよう」と祈願したお守りで、特に社会人に人気のお守りです。
芸能浅間神社のお守り「芸道成就守」は、芸事の成功を祈願するお守りで、裏に入っている紙に名前や芸名を書いて身につけるというものです。
お参りしたい時にお参りできる開かれた神社
花園神社への参拝について、宮司の片山さんに聞いてみたところ「花園神社は都会の神社ですが、境内には土があって、木があって、緑がありますので、来ていただければ気分も変わると思いますのでリフレッシュしていただきたいですね。都心では時間になると門を閉じる神社も多いのですが、花園神社は24時間いつでも開いていますので、気軽に来ていただければと思います」とのこと。
■花園神社(はなぞのじんじゃ)
☎ 03-3209-5265
東京都新宿区新宿5-17-3
営業時間:社務所 9時~20時
御祈祷 9時30分~11時30分/13時〜16時30分
アクセス:東京メトロ 丸ノ内線・副都心線・都営新宿線 新宿三丁目駅よりすぐ
西武新宿線 西武新宿駅より徒歩4分
JR・小田急線・京王線 新宿駅東口より徒歩7分