日本全国地震列島。日本は、いつどこで地震が起こるか分からない地域。東京などの都市圏はもちろん、中山間地域においても、住人はいつも地震に備えておかなければ、自分や家族の生命、財産は守れません。
そこで、日本の防災の権威、目黒教授がご指南。連載第22回目は「“フェーズフリーな災害対策”とはどんな考え方なのですか?」。
目黒教授 災害現象は、時間的にも空間的にも非常に限定的な現象です。つまり滅多に起きない現象なので、災害時にしか役立たないものに投資するのは難しくなります。この状況を変えるにはどうしたらいいか。解決策の一つの考え方は、災害対策の主目的を平時の生活の質の向上や事業効率の改善に置き、それがそのまま災害時にも有効活用できるよう、有事と平時を分けない“フェーズフリーな災害対策”とするものです。
前回に説明した「コストからバリューへ」と合わせると、従来のコスト型の災害対策が継続性に乏しく、効果は発災時にしか発揮できないのに対して、フェーズフリーでバリュー型の対策は災害の有無に関わらず、平時から対策実施者にバリューがもたされるとこで、継続的に災害対策を実施してもらえる環境を整えることが可能になるのです。(次回に続く)
●目黒公郎プロフィール
東京大学大学院情報学環長・教授。専門は総合災害管理、国際防災戦略。内閣府本府参与、多数の省庁の防災委員、日本地震工学会、地域安全学会、日本自然災害学会などの会長を歴任。防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。
●目黒教授のラジオ連載「みんなのサンデー防災」は、各種の災害がもたらす被害の最小化と、災害時を被災地地域の課題を解決する機会として活用し、発災以前よりもいい地域に改善するために必聴の番組。毎週日曜14時〜全国コミュニティFMで放送中。詳しくは「みんなのサンデー防災」で検索してみてください。
