日本全国地震列島。日本は、いつどこで地震が起こるか分からない地域。東京などの都市圏はもちろん、中山間地域においても、住人はいつも地震に備えておかなければ、自分や家族の生命、財産は守れません。
そこで、日本の防災の権威、目黒教授がご指南。連載第24回目は「被害抑止対策について教えてください」。
目黒教授 これは全ての災害対策の中で最も重要な対策であり、事前対策として最初に実施すべきものです。この対策は大きくは2つに分けることができます。一つは、構造物の性能向上によって被害を抑止するもの、例えば、地震であれば建物や施設の耐震性を高める、洪水や津波災害であれば、堤防や防波堤の高さを高くすることで、被害を大幅に減らすことが可能になります。これを構造物による被害抑止対策と呼びます。
もう一つは、地盤が良くないとか洪水が発生しやすいなど、災害が発生しやすいエリアに、建物や施設をつくったり住んだりしないように土地利用を制限することで被害を大幅に減らようとするもので、これを土地利用規制(土地利用施策)による被害抑止対策と呼びます。
この二つを合わせて被害抑止対策と呼んでいますが、人口減少社会では、後者の対策、土地利用規制に基づく人口誘導対策(人口減少によりスペースができた災害リスクの低い場所に、リスクの高い場所に住んでいる人たちを移動させる対策)がより重要性を増します。(次回に続く)
●目黒公郎プロフィール
東京大学大学院情報学環長・教授。専門は総合災害管理、国際防災戦略。内閣府本府参与、多数の省庁の防災委員、日本地震工学会、地域安全学会、日本自然災害学会などの会長を歴任。防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。
●目黒教授のラジオ連載「みんなのサンデー防災」は、各種の災害がもたらす被害の最小化と、災害時を被災地地域の課題を解決する機会として活用し、発災以前よりもいい地域に改善するために必聴の番組。毎週日曜14時〜全国コミュニティFMで放送中。詳しくは「みんなのサンデー防災」で検索してみてください。
