日本全国地震列島。日本は、いつどこで地震が起こるか分からない地域。東京などの都市圏はもちろん、中山間地域においても、住人はいつも地震に備えておかなければ、自分や家族の生命、財産は守れません。
そこで、日本の防災の権威、目黒教授がご指南。連載第44回目は「緊急避難場所と避難所の違いを教えてください」。
目黒教授 多くの皆さんが正確に理解していないのですが、災害発生後に利用する避難施設は3種類あり、それぞれ利用する時期や目的が違います。まず最初は、近所の公園や学校の敷地の片隅に災害時に使う工具(バールやのこぎりなど)が収納された物置が置かれたスペースで、これを一時(いっとき)集合場所と言います。ここは近所に人たちがまず集まって情報交換したり、周辺で被害を受けた家があれば、皆で行って安否確認したり、倉庫内の工具を使って救助したりします。
次は周辺で火災が発生し、それが拡大して放射熱で危険になりそうな場合に、それを避けるために一時的に避難する大きなオープンスペースがある場所で、これを広域避難場所(緊急避難場所)と言います。広域避難場所には、大きな公園や大学のキャンパスなどが利用されますが、大規模火災が発生しなければ利用する必要のない施設です。
最後が避難所です。避難所は、自宅が被災したり、ライフラインが途絶して、自宅での生活の継続が難しい被災者が、ある一定期間生活をする場所で、公民館とか公立の小中学校の体育館などが利用されます。避難所には屋根がありますが、他の2施設には屋根がありません。(次回に続く)
●目黒公郎プロフィール
東京大学大学院情報学環長・教授。専門は総合災害管理、国際防災戦略。内閣府本府参与、多数の省庁の防災委員、日本地震工学会、地域安全学会、日本自然災害学会などの会長を歴任。防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。
●目黒教授のラジオ連載「みんなのサンデー防災」は、各種の災害がもたらす被害の最小化と、災害時を被災地地域の課題を解決する機会として活用し、発災以前よりもいい地域に改善するために必聴の番組。毎週日曜14時〜全国コミュニティFMで放送中。詳しくは「みんなのサンデー防災」で検索してみてください。
