【目黒教授のワンポイント防災講座 vol.6】インプットとアウトプットの関係。災害が発生するメカニズムとは?

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日本全国地震列島。日本は、いつどこで地震が起こるか分からない地域。東京などの都市圏はもちろん、中山間地域においても、住人はいつも地震に備えておかなければ、自分や家族の生命、財産は守れません。

そこで、日本の防災の権威、目黒教授がご指南。連載第6回目は、「災害が生まれるメカニズムについて」。

目黒教授 インプット→システム→アウトプットの関係で考えると分かり易いと思います。インプットは、自然現象としての台風や地震そのもので、英語ではハザードと言います。システムは、皆さんが住んでいる地域の特徴(地域特性と言う)で、自然条件に依存する「自然環境特性」と人間がらみの「社会環境特性」から構成されます。そして、季節や曜日、発災時刻などの時間的な要因です。

アウトプットとしては、構造物の応答などの物理現象だけでなく、社会現象も含まれます。そしてこのアウトプットが、限界値を超えた場合に、その状態を『被害』とか『災害』と呼びます。同じインプットであってもシステムが変われば、当然アウトプット(=災害)も変わるという意味です。

「災害は進化する」と言われますが、地球温暖化などの例外を除き、人間がインプットとしてのハザードを変えることはできません。進化の理由は、私たちがシステムとしての地域特性を変えたことで、アウトプットとしての災害が変わったと理解できます。(次回に続く)

目黒公郎プロフィール
東京大学大学院情報学環長・教授。専門は総合災害管理、国際防災戦略。内閣府本府参与、多数の省庁の防災委員、日本地震工学会、地域安全学会、日本自然災害学会などの会長を歴任。防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。

●目黒教授のラジオ連載「みんなのサンデー防災」は、各種の災害がもたらす被害の最小化と、災害時を被災地地域の課題を解決する機会として活用し、発災以前よりもいい地域に改善するために必聴の番組。毎週日曜14時〜全国コミュニティFMで放送中。詳しくは「みんなのサンデー防災」で検索してみてください。

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