日本全国地震列島。日本は、いつどこで地震が起こるか分からない地域。東京などの都市圏はもちろん、中山間地域においても、住人はいつも地震に備えておかなければ、自分や家族の生命、財産は守れません。
そこで、日本の防災の権威、目黒教授がご指南。連載第8回目は、「ハザードって、一体何ですか?」。
目黒教授 「ハザード」とは、以前の記事(【目黒教授のワンポイント防災講座 vol.6】インプットとアウトプットの関係。災害が発生するメカニズムとは?)でお伝えしたインプット・システム・アウトプットのインプットにあたる、地震や台風、降雨量や火山噴火などの自然現象のことです。これ自体は被害や災害ではありません。もう少し詳しく説明すると、「ハザード」とは外力の強さと広がりに発生確率を掛けたものです。例えば降雨であれば、時間雨量何ミリが強さ、それがどれくらいの範囲に降っているのかが広がり、何年に一回発生するのかが発生確率で、地震であれば、揺れの激しさ(震度)が強さ、その震度のエリアが広がり、何年に一回発生するかが発生確率です。地球温暖化などの例外を除き、一般的に私たちは、ハザードを変えることはできませんので、システムの脆弱性を改善することで、将来の災害のリスクを低下できるのです。(次回に続く)
●目黒公郎プロフィール
東京大学大学院情報学環長・教授。専門は総合災害管理、国際防災戦略。内閣府本府参与、多数の省庁の防災委員、日本地震工学会、地域安全学会、日本自然災害学会などの会長を歴任。防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。
●目黒教授のラジオ連載「みんなのサンデー防災」は、各種の災害がもたらす被害の最小化と、災害時を被災地地域の課題を解決する機会として活用し、発災以前よりもいい地域に改善するために必聴の番組。毎週日曜14時〜全国コミュニティFMで放送中。詳しくは「みんなのサンデー防災」で検索してみてください。
