日本全国地震列島。日本は、いつどこで地震が起こるか、わからない地域。東京などの都市圏はもちろん、中山間地域においても、住人はいつも地震に備えておかなければ、自分や家族の生命、財産は守れません。
そこで、日本の防災の権威、目黒教授がご指南。連載第10回目は、防災において己を知ることの大切さ。目黒教授は“3つの己”が大切だと説きます。
目黒教授 1つ目の“己”は、住んでいる地域が持つ様々な特徴のこと。これには自然環境特性、人間の暮らしに関係する社会環境特性、そして時間的な要因があります。「インプット」→「システム」→「アウトプット」の災害システムにも関連しますね。2つ目の“己”は皆さんが国や都道府県、市町村における行政の力です。これを理解できていないと、行政にお願いしても結局無理だったということになってしまいます。3つ目の“己”は自身の力。やれば簡単にできることなのに、理解不足で対策を施さないことで、被害を拡大してしまいます。これらが“3つの己”と呼んでいるものです。(次回に続く)
●目黒公郎プロフィール
東京大学大学院情報学環長・教授。専門は総合災害管理、国際防災戦略。内閣府本府参与、多数の省庁の防災委員、日本地震工学会、地域安全学会、日本自然災害学会などの会長を歴任。防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。
●目黒教授のラジオ連載「みんなのサンデー防災」は、各種の災害がもたらす被害の最小化と、災害時を被災地地域の課題を解決する機会として活用し、発災以前よりもいい地域に改善するために必聴の番組。毎週日曜14時〜全国コミュニティFMで放送中。詳しくは「みんなのサンデー防災」で検索してみてください。
