日本全国地震列島。日本は、いつどこで地震が起こるか分からない地域。東京などの都市圏はもちろん、中山間地域においても、住人はいつも地震に備えておかなければ、自分や家族の生命、財産は守れません。
そこで、日本の防災の権威、目黒教授がご指南。連載第23回目は「“総合的災害管理”ってなんですか?」。
目黒教授 私が提案する「総合的災害管理」は、事前の3つの対策と事後の4つの対策から構成されます。これらの7つの対策をうまく合わせることによって、ハザードによる影響(被害)を最小限にするとともに、災害が起こったタイミングを被災地の問題解決を考える一つの機会として活用し、災害前よりもいい環境を実現しようとするものです。
3つの事前対策とは、被害抑止対策、被害軽減対策、予知・予見・警報です。そしてハザードが地域を襲った後に行う4つの事後対策としては、まずは被害評価、次が災害対応、その後に、復旧と復興が続きます。
「防災(災いを防ぐ)」という文字は事前の被害抑止対策のみと捉えられがちで、復興の概念が入っていませんでした。しかし我が国の災害対策で最も重要な「災害対策基本法」では「事前の被害抑止対策、被害の拡大を阻止する災害対応、速やかな復旧」の3つを合わせて「防災」と定義しています。これは最近よく使われる「減災」そのものを表しています。7つの対策については、この後一つ一つ詳しく説明していきます。(次回に続く)
●目黒公郎プロフィール
東京大学大学院情報学環長・教授。専門は総合災害管理、国際防災戦略。内閣府本府参与、多数の省庁の防災委員、日本地震工学会、地域安全学会、日本自然災害学会などの会長を歴任。防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。
●目黒教授のラジオ連載「みんなのサンデー防災」は、各種の災害がもたらす被害の最小化と、災害時を被災地地域の課題を解決する機会として活用し、発災以前よりもいい地域に改善するために必聴の番組。毎週日曜14時〜全国コミュニティFMで放送中。詳しくは「みんなのサンデー防災」で検索してみてください。
