日本の未来を変える「豈(やまと)プロジェクト」とは?

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歌舞伎俳優の市川九團次さんプロデュースのクラフトジンがついに発売! 屋久島の杉やお茶の香りを生かした、新感覚の味わいが話題を集めています。さらに九團次さんはお茶を通じて、中小企業が協働する耕作放棄地再生の取り組みに出会い、その活動に深く共感したとか。日本の未来を変える、その画期的なプロジェクトとは!?

目次

舞台の香り!? 屋久島の自然がつまったクラフトジン

市川九團次さん

 市川團十郎一門として、国内各地の歌舞伎公演で舞台を務める市川九團次さん。一方で食や”もの作り”への関心も高く、自身のブログやYouTubeチャンネルでは、自身の料理やオリジナルのアパレル、ジュエリー制作の様子を披露するなど、多彩かつユニークな活動でも知られています。近年その関心は農業にも広がり、今年からは長崎県の五島列島で農業法人を立ち上げるなど、農業復興のための地道な活動も注目されています。

 そんな九團次さんの新たな挑戦は、今流行のクラフトジン作り。

 「以前からお酒を作りたいと考えていたのですが、ジンは熟成期間が短く初心者でも作りやすいことも挑戦の決め手になりました」と九團次さん。

 ジンは、ベースとなる蒸留酒に香草・薬草類のフレーバーを加え、再蒸溜して作られます。そこで九團次さんが掲げたコンセプトは「歌舞伎の舞台の香り」。舞台から香り立つ「木」の芳醇な香りを表現するために九團次さんが厳選したのは、日本が誇る世界自然遺産の「屋久杉」でした。

 さらに「屋久島つながりで屋久島名物の有機緑茶、タンカンの存在を教えてもらいブレンドしたところ、大正解。屋久杉の温もりある木の香りが鼻を抜け、爽やかな柑橘とお茶の余韻が残る、『屋久島スペシャル』とも言える最高のジンが完成しました」(九團次さん)

【市川九團次(四代目)】1972年4月4日、千葉県野田市生まれ。 1998年、坂東竹志郎を名乗り初舞台を踏む。2005年、四代目坂東薪車襲名。2014年、市川海老蔵門下(現・市川團十郎白猿)となり市川道行を名乗る。翌年1月『石川五右衛門』で四代目市川九團次を襲名。

耕作放棄地の茶畑を復興!? 中小企業が団結する「豈プロジェクト」

屋久島の屋久島耕作放棄地の前で豈プロジェクトのメンバーと市川九團次さんとの記念写真

 今回のクラフトジン作りは、九團次さんにさらなる出会いをもたらしました。実は素材に使われた有機緑茶「天謡(あまうた)」は、全国の中小企業が協働する「豈プロジェクト」から生まれたお茶で、3年間放置された4千坪の茶畑を復興する「屋久島耕作放棄地再生プロジェクト」から誕生したもの。その農業復興を通して日本を元気にする取り組みに、九團次さんも強く共鳴したと言います。

有機緑茶「天謡」

 「豈プロジェクトの活動は、私が行っている五島列島農業チャレンジに共通するものがあると感じました。日本には良い農作物の生産基盤があるのに、農業に従事する方の高齢化や放棄地の問題など、全国で同じような課題を抱えています。だからこそ、一つでも復興の成功例を増やすことで課題解決につながるのでは――そんな想いから、ご縁もあって5月に私も屋久島で開拓作業に参加。参加者の皆さんと島の持つパワーをたくさんいただき、本当に実になる体験をさせて頂きました」(九團次さん)。

 そんな九團次さんも注目の「豈プロジェクト」について、プロジェクトの主宰で、中小企業の経営者に向けた教育やコンサルティングを行う株式会社ワールドユーアカデミーの代表・仲村恵子さんにお話を伺いました。

株式会社ワールドユーアカデミーの代表・仲村恵子さんと市川九團次さん

 「豈プロジェクトの基盤であるワールドユーアカデミーは、『志経営』を実現する中小企業の経営者のためのアカデミーです。志経営とは、近江商人の『三方良し』のように、『おかげさま』の精神のもと、売り手・買い手・社会の全てをよくするために、世のため人のためになる大きな志を持って行動すること。大企業のような貢献活動は難しいと思われるかもしれませんが、日本企業の99.7%を占める中小企業が団結して助け合えば、大きな力になる。企業経営を通じてお客さまや社員だけでなく経営者自身もウェルビーイングな状態になり、それが社会貢献につながっていく。仲間とともに楽しく成功するのが『志経営』なのです」(仲村さん)

 もちろん最初は会社の売上や人員不足など、自分の会社の問題で精一杯。その問題解決の取り組みのなかで会社や人が成長し、本格的な社会貢献を視野に入れた経営者たちが学び行動するために設立されたのが「ヒーローズクラブ」 です。そのコンセプトは、将来の日本を支える子どもたちの指針となる「ヒーロー」を育てること。

 「今、日本の未来に希望を持てない子どもが増えていると言われますが、その“現実”を作るのは大人たちです。大人が生き生きと働く姿を見せることで、希望を持てる社会を作っていく。そのために企業を超えて協力し合い、学びや貢献活動を行なっています」と仲村さん。

 そしてこのヒーローたちの“実践”の場として、コロナ禍の2020年に新たに発足したのが「豈プロジェクト」です。少子高齢化や人材不足、労働問題など、数多くの問題を抱える日本の現状を変えるために、中小企業が中心となり、農業・文化・教育・経済の4つの柱からさまざまな活動を進めているそうです。

ウェルビーイングな未来を作る、農業復興の取り組み

屋久島の屋久島耕作放棄地で活動する豈プロジェクトメンバー

 4つの柱の中でも「豈プロジェクト」が特に注力するのは、日本人の生活の根幹を成す農業です。食料自給率の低下、農業従事者の高齢化、後継者不足、耕作放置地といった日本の農業の多くの問題を解決するために、中小企業と農家、地域が一体となって取り組みを行っています。

「神宝米」プロジェクトでの記念写真

 その皮切りとなったのが、2021年から栃木県塩谷町でスタートした、自然栽培で米作りを行う農家とタッグを組んだ「神宝米」プロジェクト。農家の皆さんが安心して農業を続けられるように、中小企業が労働力・地方財源・品質・販路確保に取り組んでいます。

 「具体的には、農産物の出口設計として、参加企業が会社給食などに使うためにお米を買い取ったり、社員も農作業に参加したりすることで、社員の健康や食や農に対する意識変化にもプラスの影響をもたらしました。活動の反響も大きく、全国各地の農家から声がけを頂いています」(仲村さん)

屋久島耕作放棄地再生プロジェクト

 さらに今年からスタートしたのが、先述した屋久島耕作放棄地再生プロジェクトです。

 「私たちが長年続けている屋久島の登山研修で、ある日昔ながらの方法で自然農法をされているお茶の農家さんに出会い、同時に4千坪もの耕作放棄地について知りました。屋久島では後継者や人手不足により、耕作放棄地問題が深刻です。そこで茶畑を復活させ、屋久島古来の茶作りを復興しようとプロジェクトを立ち上げました」(仲村さん)。

 とはいえ、屋久島は豊かな生態系ゆえに虫も多くて雑草や木々の成長も早く、さらに台風も良く通過するため農作業には苦労が絶えません。それでも根気強く農作業を続ける中で、今年2月に有機緑茶「天謡」が完成。お茶を通して、志を共にする九團次さんとの縁も生まれました。

 こうした多彩な取り組みについて、「中小企業ができることは限られているかもしれません。けれど『結(ゆい)の精神』で団結することで、共に元気により良い状態になり、日本を変えていけるはずです」と仲村さん。

 全国の経営者たちが大志をもとに日本をより良くする「豈プロジェクト」。もっと知りたいという経営者の方は、ぜひサイトをチェックしてみてください。

2022年12月に行われた「豈プロジェクト公演」の様子

 また、豈プロジェクトでは文化面での取り組みとして、経営者自らが和太鼓を叩き、ダンスを踊り、社員と一丸となって「日本文化とお祭りの復興」に全国で取り組んでいます。今年12月12日には東京・文京シビックホールで「豈プロジェクト 東京公演」 の開催が決定。日本について学び元気になる公演に、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
 

■豈(やまと)プロジェクト
https://yamato.world-u.com
 
豈プロジェクト 東京公演
開催日時:2023年12月12日(火)14時~17時30分
開催会場:文京シビックホール
ゲスト:林 千勝 氏(近現代史研究家・ノンフィクション作家)、華頂 博一 氏(旧皇族 華頂宮 当主)
 
詳細・チケット購入はこちら>>

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