日本全国地震列島。日本は、いつどこで地震が起こるか分からない地域。東京などの都市圏はもちろん、中山間地域においても、住人はいつも地震に備えておかなければ、自分や家族の生命、財産は守れません。
そこで、日本の防災の権威、目黒教授がご指南。連載第34回目は「タワーマンションで気を付けるべきことはなんですか?」。
目黒教授 タワーマンションでの生活は、災害時にはかなり厳しくなります。建物位置の地面がそれほど揺れていなくても、長周期地震動の影響で多くのエレベーターが停止します。エレベーターが使えないとタワーマンション内での移動は非常に困難になりますし、復旧までには長時間要するでしょう。そのため、一定レベルの備蓄は当然用意しておかないと生活が成立しません。トイレの問題も発生するので、携帯トイレ等の準備は必須です。
閉じ込めが発生した場合、特に上層階で発生した場合の対応は中低層ビルに比べてずっと困難になり、時間もかかります。固有周期の長いタワーマンションでは、地表の揺れが強くなくても、長周期地震動の影響で、上層階は左右前後の各方向に、片振幅数メートルで振動します。建物に構造的な被害が出なくても、設備や利用者には大きな影響が出ます。仮に修理が必要となった場合、大規模修繕の蓄えが不十分なものが多いことも大問題です。(次回に続く)
●目黒公郎プロフィール
東京大学大学院情報学環長・教授。専門は総合災害管理、国際防災戦略。内閣府本府参与、多数の省庁の防災委員、日本地震工学会、地域安全学会、日本自然災害学会などの会長を歴任。防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。
●目黒教授のラジオ連載「みんなのサンデー防災」は、各種の災害がもたらす被害の最小化と、災害時を被災地地域の課題を解決する機会として活用し、発災以前よりもいい地域に改善するために必聴の番組。毎週日曜14時〜全国コミュニティFMで放送中。詳しくは「みんなのサンデー防災」で検索してみてください。
